このレポートは、「学びの時間」の中で行ったスーパーバイズの内容の一部をまとめたものです。
(「学びの時間」とは、NPO法人クリオネの家が会員向けに行っている勉強会です。)
期待に応えようとする心
子どもが、褒められたことを頑張るようになるのは自然なことです。
・運動に関することを褒められたら、運動を頑張るようになる
・勉強に関することを褒められたら、勉強を頑張るようになる
・優しいねと言われたら、優しい人でいようとする
これを、他者の期待に応えようとする「いい子な心」と解釈をされることがあります。
ですが、自分にとって影響力の強い人の期待に応えようとするのは自然なことです。
特に低学年の子どもは、良くも悪くも親の影響を受けてしまいます。
そして、親の期待に応えようと、親が喜んでくれる行動や言動を探してしまうことがあります。
無理しないでと言われたときは、無理しないことで親の期待に応えようとします。
大丈夫?と心配されると、親の考えが間違いにならないように、大丈夫じゃないと答えます。
「私は子どものことをすべてわかっている」という親の期待に応えようとする子どもは、期待に応えられないことで苦しみを抱えてしまうこともあるのです。
子どもは、ある時期を境にして、自立への道を歩んでいきます。
その時期が、思春期と呼ばれる、親離れの準備の時期です。
ただ、思春期が誰にでも訪れるわけではありません。
外の世界(家族以外の人)とのかかわりに刺激を受け、思春期へと入っていきます。
さらに、子どもは、外の世界とのかかわりで、子ども独自のコミュニティーを創っていきます。
その中で、人との距離感や、自分の立ち位置に合った行動や言動を選択できるようになっていくのです。
子どものために!を思ったら、今何をしてあげられるのか?を考えられるようになっておくのは、今の時代、とても大切なことかもしれません。
相手の話を聴くというのは、とても大変なことです。
だからこそ、その力が身についていると、どんなところでも活用できます。
しかし、聴くことを学ぶというのは、「箸を使っている人が、箸の使い方を学ぶのと同じこと」。
なかなか、学ぶ機会がありません。
いつも人の話を聞いているから…という人であっても、
癖のようなものが身についてしまっていることもあります。
わかっているつもりでいるだけ…ということもあります。
「聴く」をするには、
・集中と関心を相手に向け続けることが必要です。
テクニックに走る前に、相手の話をわかるということはどういうことかを体験してみましょう。
そのためのワーク例)
・話の全体をどうイメージしたのかを、話をしてくれた人と答え合わせをしてみる
・言いたいことのポイントが話をしてくれた人と合っているかの答え合わせをしてみる
「だいたい合っている」「まぁ合っている」という答えだったときは、
「ちょっと違う」「だいぶ違う」と言いづらいだけかもしれません。
「合っている!」と言えない理由を、こっそりと教えてもらいましょう。
(星野伸明)