感情の構造を理解する 学びのレポート2024.12.21

このレポートは、「学びの時間」の中で行ったスーパーバイズの内容の一部をまとめたものです。

(「学びの時間」とは、NPO法人クリオネの家が会員向けに行っている勉強会です。)

感情の構造を理解する

人の認知は、良くも悪くも、その人の感じ方や考え方の影響を受けています。

 

どんな事実があったと感じているのか?

その事実をどう感じたのか?

 

これが感情をつくりだしている源泉ですが、感じ方に大きな影響を与えているのが前頭葉。

 

その前頭葉の特徴は

・湧き上がった情動を感情として処理する働きがある

・生活習慣の影響を受け、機能低下を起こしやすい

・20歳ぐらいまで発達を続けていく

 

睡眠が十分にとれていないと、前頭葉の機能は低下します。

しっかり寝ているつもりでも、

・寝起きが悪い

・前日の疲れがとれていない

・朝食を食べる元気が出ない

このような状態にあるときは、眠りの質が悪くなっている可能性があります。

寝る前の過ごし方を、意識して改善してみる必要があるかもしれません。

 

特に子どもは、これから前頭葉が発達していく段階にあります。

常に前頭葉を介さない情動的な反応が起こりやすい状態です。

 

これは、大人が寝不足で感情のコントロールがうまくできないときと同じような状態でもあります。

 

寝ているからいいということではなく、睡眠の質に目をむけて、いい睡眠がとれる環境を整えることも必要です。

 

眠りの質を良くするコツは、緊張をほぐしてから布団に入ること。

眠りにつきたい時間から逆算して、1時間前ぐらいまでには「食べる・見る・激しく動く・考える」を、終わらせておくことで、眠りの質が良くなっていきます。

 

そして、前頭葉の働きを維持することは、感情のマネジメントにもつながります。

 

情動を感情として捉えることができるようになると、

怒りの構造や不安の構造、悲しみの構造を理解したうえで、対策を練ることができるようになっていきます。

 

感情の構造を理解する例題

欲求:大切にされたい尊重されたいと心の中で思っているから

感情1:その思い通りにならないことに怒りが湧き

行動A:周囲から大切になる人になる努力をしようと考えてみたけれど

感情2:あ~なんか腹が立つとイライラが止まらない

この感情の構造は、

  • 感情1と感情2は別の感情であるけれど、どちらもの怒りであるため区別がしづらい
  • 行動Aの考えを実行するのを邪魔する気持ちは、普段意識できていないことが多いため、感情2が実行するのを邪魔する気持ちだと思いがち
  • 感情2は葛藤する心を安定させるための適応反応である可能性が高い
  • そのように考えると、行動Aの考えを実行するのを邪魔する気持ちは、「今さら変わるのは恥ずかしい」「できる自信がない」といったものが潜んでいる可能性がある

まとめると

  • 怒りの対処のために行動しようと思っているが、その行動に対してよいイメージが持てないために、身動き取れずに苦しくなり、その心の状態を安定させるため、相手を攻撃する適応反応が出ている

このように考えることができます。

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