「やりたいようにやらせる」だけでいいのか? 学びの時間 2025.09.20

このレポートは、「学びの時間」の中で行ったスーパーバイズの内容の一部をまとめたものです。

(「学びの時間」とは、NPO法人クリオネの家が会員向けに行っている勉強会です。)

「やりたいようにやらせる」だけでいいのか?

近年、子育てや人材教育の場面で耳にすることが増えた言葉に

「嫌ということはやらせず、本人のやりたいようにやらせましょう」

というものがあります。

 

例えば

嫌いと言ったら、無理に食べさせない

嫌と言ったら、ムリに行かせない

やりたくないと言ったら、やらせない

 

このかかわり方で本人と周囲の人に、

何も不具合が起きていないうちは大きな問題にはなりません。

 

しかし、

“嫌だとしてもやらなくてはならない”

“嫌だといっても、それをやらせなくてはならない”

このような責任や役割を背負ってしまうことがあります。

 

「正直、そんな負担を背負いたくない。」

「でも、どうしたらいいかわからない。」

 

こんな心境になったとしたら、あなたならどうしますか?

 

多くの人が

“誰かに助言やアドバイスをもらいに行く”

こんなことをするのではないでしょうか?

 

そんなときに

気をつけておかなければならないのが

「軸を持たずにアドバイスをもらってしまうと、混乱してしまうだけになる」

ということです。

 

軸とは「今から未来に向かう視点」です。

 

“どう育ってほしいのか”

“どんな人になっていってほしいのか”

 

それがない中で、

「今どうかかわっていこうか」を考えてみても

“今がよければそれでいい”という考えにたどり着き

同じところをぐるぐる回るだけになってしまいます。

 

自分が誰かの成長に影響を与える

責任や役割を背負ってしまったときは

 

“未来に向かって、今どうかかわるか”を考えてみましょう。

 

 

 

私たちは、

気づきー考えー行動する

このサイクルを回して生活しています。

 

何に気付くのかは、

人それぞれ違います。

 

そして、

気付いたことをもとに、何を考えるのかも

思考の癖が影響します。

 

・メリットを多く見積もる思考をすれば

一歩を踏み出す行動が生まれます。

 

・デメリットを多く見積もる思考をすれば

今にとどまるために、変化を避ける行動が生まれます。

 

どちらも必要な思考ではありますが、

私たちには、このような思考の癖があることを頭の中に置いてみましょう。

 

それによって、

かかわりかたに少し余裕が生まれるかもしれません。

 

「嫌なことはやらせない」というかかわり方も、

「嫌でもやらせる」というかかわり方も、

どちらか一方が正しいわけではありません。

 

大切なのは、未来を見据えたかかわり方を意識すること。

その視点があるだけで、日々の選択やかかわり方に、

確かな意味が生まれてくるのではないでしょうか。

(星野伸明)

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