このレポートは、「学びの時間」の中で行ったスーパーバイズの内容の一部をまとめたものです。
(「学びの時間」とは、NPO法人クリオネの家が会員向けに行っている勉強会です。)
「今のままでいいや」は危険?「ゆでガエル」を防ぐ方法
私たちの思考には、たくさんの癖が潜んでいます。
その中に「現状維持バイアス」という、
変化することよりも今の状態を維持しようとする思考の癖があります。
これは、
・変わることで被る可能性のあるリスクより
・今のままでいることのメリットを高く見積もる
という傾向として現れます。
例えば、
- 将来的にやる必要があったとしても、
「今、やらなくてもいいんじゃない」
- 今すぐに不都合がないのなら
「今、変えなくてもいいんじゃない」
- 今までこれでうまくいっていたのだから
「今、それを変えなくてもいいんじゃない」
このように、今のまま(今までのまま)でいることのメリットを
意識の中心に持ってくる思考傾向です。
あえて、「変えない」を選んでいるのなら、意識的な選択です。
しかし、現状維持バイアスが動き出すと、
今の居心地の良さに意識が向いた選択をします。
これによって、必ずやってくるとは限りませんが、
「気付いたときには時すでに遅し」という状態に陥ってしまうことがある。
これを「ゆでガエル」の理論と呼んだりします。
「ゆでガエル」とは
金ダライの中に水を入れ、カエルが気持ちよく泳げる状態をつくったら、
金ダライの下からアルコールランプでゆっくりと熱してあげる。
熱くなって飛び出そうとしたときには、時すでに遅し。
熱さで筋肉がうまく使えず、金ダライの淵は熱くて触れず、
外に飛び出すことすらできなくなってしまう。
ゆでガエルになってしまうことは、
きっと誰も望んでいないと思います。
では、「ゆでガエル」にならないためには、どうしたらいいのでしょうか。
その鍵になるのは、「自分事として考えている」ということです。
誰かがやってくれる、誰かに言われたままやればいい。
そのような環境にいれば、自分のことのはずなのに、
どこか他人ごとになってしまいます。
そのほかにも
- 過度に干渉される。(親や上司の過干渉)
- 過度に保護される(無理するな、頑張るな、あなたはあなたのままでいい。)
- 過度な他責化(あなたは悪くない、悪いのは全部ほかの人)
こういったことが自分事として考えることを邪魔してしまいます。
現状維持バイアスから抜け出て
ゆでガエルになることを回避するには
心に響いた気づきや出来事を、
まずは、自分が直接かかわることだとして考える。
そして、
- 現実的にできること
- それをやるメリット
- やらないことのデメリット
これに着目して、検討を重ねていくことが必要になります。
これは自分自身だけでなく、誰かを指導・育成する際も同じです。
変化を望まない人に、変化を強く求めたら、
現状維持バイアスが強く働いてしまいます。
その人にとって、
「自分が直接かかわることだと思えること」は何でしょうか。
それを探してみることが、変化への初めの1歩になります。
「めんどくさいから、今のままでいいや」
これも現状維持バイアスです。
ゆでガエルにならないように
今できることを、ひとつだけでもやっておきましょう。
(星野伸明)
